めいけんチーズは、本当は言葉を喋れる。

boredoms2013-01-10

あんぱんってなんであんなに美味しいのだろうか。
好物ですわあんぱん。



獣王伝 雷血
第二章『とめてクライシス』
前回からのつづき


 今、あの人語を喋るヒヨコは、自身の事を朱雀と言ったか?
 四聖の構成メンバー、白虎、青龍、玄武、朱雀。
 その朱雀が、このヒヨコだと。 
「信じるピヨ! オレは四聖の貴重な一角を担う誉れ高き朱雀だピヨ」
 小さい身体を一杯に広げて、ヒヨコは威張ってみせる。
 それを聞いたルイチは、口をへの字にひん曲げて、腕を組み、朱雀と名乗るヒヨコを上から見下ろす。
「嘘じゃな。きさまの様なヒヨコ風情が朱雀なわけがないであろうに。わしの知っている朱雀はもっと大きいし、背中に乗って飛べる便利な奴じゃったはずじゃし、何よりそんな語尾に『ピヨ』なんて付けて喋るナンセンスな奴ではなかった」
「この語尾については、まぁその、キャラ作りとして察して欲しいピヨ。こんな身体になったのは、さっきテメーらが話してた空き地の犬が原因なんだピヨ。ルイチよ、テメーそんなに疑うのなら、オレの霊気の色を探ってみればいいピヨ」
「あーなるほど、その手があった」
 そう言ってルイチは、両方の手でこぶしを握り、その形のまま自らの眼前へと構えた。ちょうど望遠鏡を覗くような形だ。
 その構えからルイチはすっと息を吸い込み、そして叫ぶ。
「霊脈術『目視』!」
 で、瞬間。朱雀と名乗るヒヨコが俺にキッと視線を送ってくる。再び身体を伸ばして声をあげた。
「説明しよう! 霊脈術『目視』とは、幾多の厳しい修練を積んだ者しか会得し得ない高度な技である! 生物に蓄積された霊気の量、色や、そして質まで判別できるものである。そして当然、地表に流れる霊脈の位置やその流れ、濃度などを認識できる優れた術なのであるピヨ!」
 決まったぜ。という感じで、説明を言い終えたヒヨコは俺にウィンクをした。
「え!? うん、そっ、そうですか……」


つづく。