あーりんわっしょい!

boredoms2015-03-23

またもや幕が上がるを見て来ました! 2回目! この話題ばっかしつこいな!
前回は風邪気味で体調が優れず、全然集中できなかった事がよくわかる2回目でした、前日にドキュメントを見たっていうのもあるだろうけども、すんごい泣いた。画面がボヤけるボヤける。
すごく良い映画です。
モノノフじゃない人にも見て欲しいけど、なかなか見ませんよねぇ、ですよねぇ。



獣王伝 雷血(続きより)


「このポージング? フロントリラックスさ」
いや、聞いていない。
「リラックスという名前とは裏腹に、広背筋、三角筋、大腿部とほぼ全身に力を入れているんだよ」
誰も、何も、そんな事は聞いていない。
しかし、変態野郎は俺の目を真っ直ぐに見ている。
「冷蔵庫になりたい」
「……は」
「どっしり、がっしりとしているだろう。冷蔵庫は」
いよいよやばい事を言い出した。
俺は幽霊だとか超常現象が嫌いだ、怖い話なんてものを聞いた夜には、トイレや風呂に入る時には歌を口ずさむ。でもたった今わかった、一番恐ろしいのは、人間だ。いや、変態だ。
「これでも、一生懸命で鍛えた」
変態野郎はそう言った。
確かに鍛え上げられた身体ではある。自分も武術を学ぶ者の端くれであるから、見ればすぐにわかる。一切無駄のない筋肉のつき方、飾りの筋肉などではない、幾多の実戦の中で鍛えられるそれだ。
「なあってんだてめえ! 人間が冷蔵庫なれっわっねえだるら!(あなたは何を言っているのですか、人間が冷蔵庫になれる訳がないでしょう)」
ゆるくカールのかかった、いわゆる【聖子ちゃんカット】をしたスケバン少女は、素直にそう言った。
「そこの女史! 確かにそうだ! 僕は僕だな、そうだな、そうだ! はっははは!」
何なのだろうか、これは。
「では、俺たちは用事がありますので、失礼致します」
軽い会釈も早々に、俺はルイチの服を引っ張りながらその場を離れる事を選択する。
「それは引き止めて悪いことをした、行きたまへ!」
変態野郎の横を通り過ぎ、その場を後にした。