のぅ、叉丹?

boredoms2011-09-28

いやー書くこと無いです。
吉木りささん可愛いなぐらいしか書くことないです。
あとはバトスピの次弾のブースターが楽しみってことぐらいしか。
ジュエルペット・サンシャインって面白いなとか。
きんいろモザイク面白いなとか。
あとは中学の時に夢中になっていたサクラ大戦、どうしてラストステージの叉丹はあんなにも固かったのか。
いやぁー書くことない。





獣王伝 雷血【 番外編 Last Challenger 】
第五話「挑戦者、欲する」


 鶏つくね串、三本。
 カツカレー、一皿。
 ミンチカツとコロッケを各一個。
 みたらし団子、二本。
 シュークリームを二個。
 フルーツ牛乳とコーヒー牛乳を各一本。
 以上、今日の成果である。
 これだけの飲食物を、わしは田護崎商店街を歩くだけで飲み食いできる。タダでだ。
 別に盗って食ったわけではない、ちゃんと商店街の各店舗から無償で提供してもらった飲食物だ。
 この人徳たるや、自分でさえも恐ろしいほどである。
 毎日毎日、金魚のフンのようにママ殿の後を付いてこの田護崎商店街へお買い物に来ている内に、もう今ではすっかり商店街のプチアイルドルになっているこのわし苺畑ルイチ、千十八歳である。
 行く先々のお店で「あらルイチちゃん」と声をかけてくれるので、立ち止まって世間話をする。大体はその時にお店にあるものをわしにくれるわけだ。世間話しとは言っても、色々な悩みの相談をさせることがほとんどである。嫁姑問題から夫婦の悩み、ご近所付き合い、子供の受験やお見合い話、果てはペットの相談までそつなくこなす。
 普通の立ち話なら五分やそこらで済むのだが、相談話しとなればそれなりの時間を要するわけで、自然と長話になるわけだ。というわけで、朝の十時に家を出て、この商店街にお使いに来たはずが、現在は夕方の五時である。これは、ものすごくしゃべり過ぎてしまった。
 門限が六時なので、最後の目的地である八百屋へと急いだ。 
「ぶるぅぅぅあクソ坊主! 今日はなんでぇ? お使いか?」
 威勢良く、そして品性の欠片も感じられない声をかけてきたのは八百屋の店主だ。
「この八百屋の店主、顔の出来は三級品、頭の出来も三級品、性根とくれば四級品、それでも売ってる野菜と口の悪さは一級品。というのがもっぱらの評判である」
「それって台詞じゃなくて地の文章で書くことじゃねぇの?! 大根で頭ぶち割るぞタコ野郎この野郎」
「それはそうと店主や、わしはクソ坊主ではない。わしは娘じゃ。女じゃ。乙女じゃ。言うとするならクレオパトラとでも言うのが妥当じゃろう」
「で、今日は何を買いに来たんだクソ坊主」
 クレオパトラのくだりを無視されてしまった。
「まぁよい。ピーマンをくれ、その一袋五個入りのやつでよい。安くしておけよ」
「うるせいやタコ助、百八十円だ」
「ほい、百八十万円」
「ネタが古過ぎらぁボケナス!」
 店主は吐き捨てるようにそう言うと、わしの手から百八十円をふんだくり、乱暴にピーマンを袋に詰めてわしに投げつける様に渡した。
 なんとも態度の悪い商売人である、普段のわしならば堪忍袋の緒が弾け飛ぶところだ。ところがだ、このピーマン一袋、値札を見ると二百二十円と書いてある。この店主、さりげなく値段をまけているのだから中々に憎めん奴である。
「ほらほら用が済んだら早く帰りな、商売の邪魔でぇ」
 これでようやくとお使いは完了した。
 が、しかし。
 わしの真の目的は、まだ完了してはいない。
 この八百屋に数々と並ぶ野菜、そのひな壇の最上部に鎮座する、マスクメロン。それこそが、わしの真の目的なのである。
「おい店主や、そのマスクメロンを持ってみてもかまわんか?」
「あ? まぁかまやしねぇが、落っことさないようにしろよクソ坊主」
 小うるさい店主の言葉はさて置き、お宝の品定めといこうではないか。
 まず手に取った時の重み、これは十分な重みがある、実が詰まっている証拠だ。
 網目の高さもいい高さだ、それに網目の目も細かく、全体的に均一な広がりを展開している。
 このメロン、実に良い物だ。
 指で軽く弾いてみる、低く濁った音がする、いい音だ。
 メロンのおしりの部分を優しく押してやる、弾力がある、同時に香るメロン特有の甘美な匂いが鼻腔をくすぐる。
 T字のへたが細くしおれて、皮の色が黄色くなっている。
 間違いない。
 このメロン、食べ頃だ。
 店主にバレないように、ここで一度わしは生唾を飲む。
「ズギョウンッ!」
「音がえげつねぇ! どんだけ生唾飲むんでぇこのタコ助」
 生唾を飲んだのがおもいっきり店主にバレてしまったけれど、まぁいいとしよう。もう一度言おう、このマスクメロンは食べ頃である。
 このわしが、この期を逃すわけがない。必ずや、わしはこのメロンを手に入れる。そして風呂上りにこのメロンを食べるのだ、この末来だけは譲れない、離さない、揺るがない、Crazy for you!
「おうクソ坊主、もうそろそろメロンを元の位置に戻しな、売り物が駄目になっちまう」
 非常に口惜しいが、今は素直にメロンを元の位置へと戻す。
 メロンの残り香を心地よく感じつつ、値札に目をやる。 
「一玉、三千四百五十円か……」
「おうよ、こいつはかなりの上物だ、これでもかなり良心的なお値打ち価格さ」
「わしの一日のお小遣いはな、百円なんじゃよ」
「それがどうしたい?」
「で、わしの全財産は三百八十円なわけじゃ」
「それじゃ買えねぇやな、出直してきな」
「いや、わしはまだ帰らん、絶対に帰らん。店主や、貴様の息子はもう学校から帰っておるのか?」
「あ? おう、うちのどら息子なら少し前に帰ってるが、それがどうしたい?」
「ならば好都合じゃ。貴様の息子と勝負して、わしが勝てばメロンはいただく」
「おいおいおい、話しが急すぎてさっぱり理解できねぇ。なんでそうなるんでぇバロー」
「話しは聞かせてもらった!」
 店の奥から聞こえた声に視線を移す、そこには八百屋の息子が腕を組んで息を荒くしていた。
「おうどら息子! 急に出てきて何言ってんだてめぇは」
「ルイチちゃん、久々の勝負だ」
「うんむ、今回は絶対に勝たせてもらうぞ餃子」
 餃子とは、この八百屋の息子の高校でのあだ名である。奇妙なあだ名だ。
「さっきから勝負勝負ってよ、何の勝負なんでぇ? とんちき野郎共だなてめぇらほんとに、馬鹿ばっか揃いやがってこのタコ」
「もちろん、ラストチャレンジャーで勝負じゃ!」
「俺の野菜デッキをとくと味わうがいい! 緑黄色野菜の偉大さを教えてやるぜ!」
「ふんっ、軽く料理してくれるわ! 野菜だけにな! ゲッゲラララ!」
 今、メロンを賭けた壮絶な挑戦が始まる。