笑顔前線つかまえて、駆けておいで

boredoms2008-09-03

蝉が鳴き止んだ。
夏は過去のものとなり、なぜか今ごろになって梅雨のような湿気が世間を蒸らす。
とりあえず、ここ何日かの湿気がすごい。
このジメジメした気候に喜んでいる者達、それはカビ御一行様。
確かに、喜んでいる様子の彼ら。
喜びすぎて、僕のいつも履いている雪駄の裏に、カビが生えた。
ショックだった。
また一つ、大事な何かが音もなく崩れた。
切に願う、季節よ巡れ。
と、いうわけで、だいぶ前の事ですが、崖の上のポニョを見てきました。
上映が終わった直後、僕の隣の席の知らない女の子が「全然意味わっからん」と一言。
その時点では、僕もまったく同意見だった。
全然意味がわからなかった。
でも、今なら少し違う感想がある。
きっと意味なんて、ポニョにはない。と思う今日この頃。
あるのはただ、素直な心。
ポニョは必死の想いで、なりふりかまわず主人公であるソウスケの元へ行く。
ただソウスケに逢いたいが為に。
「ソウスケんとこ行くー!」、この一言が全てだと思う。
逢いたいから行く、その素直な気持ちこそが、この作品の全てだと思う、多分。
あの場面は何を意味しているのか?とか、あの言葉にはなにかもっと別の意図があるのでは?とか、今日の画像は金魚違いでは?とか、そんな勘繰りをすることはこの作品には似合わない。
まっすぐなポニョだから、こっちもまっすぐに見る。
「ポニョかわいー」という単純な感想、これこそがこの作品の最高峰の感想なのだと僕は思う。
宮崎駿は、終わらない。