全ては、このジーンズから始まった

boredoms2013-03-01

いやーだいぶ暖かくなってきました、このまま気温が上がってくれればのぬぇー。
で、今日書いている陳腐な物語に登場する設定などのほとんどは友人(彼女ナシ。トイレでう○ちしながら失神したことがある珍妙な人物、彼女ナシ)が考えてくれたものです、サンキュードラゴンボール



獣王伝 雷血
第二章『とめてクライシス』
前回からのつづき



「お、おいおい冗談だろルイチ、ちょっと待ってくれよ。もしかして、この一ヶ月間、朝昼晩に渡ってお前が熱弁していた俺たち四聖の目的ってやつは、全部、嘘だったのか?」
「全部では、ない」
 ルイチはさっき朱雀につつかれたつむじを擦りながら、俯きつつボソボソと声を漏らす。
「じゃあ、何パーセントくらい本当の事を話してるピヨ?」
 朱雀はルイチの頭をペシペシと叩きながらぶっきら棒に問い掛けると、ルイチは少し考えて「0.1」と言いかけて、「99ぱー」と小憎たらしい態度で答えた。
「今言い直したよな」
「あぁ、絶対にほとんど嘘ピヨ。まぁこれはいい機会ピヨ、一つ一つ確認していくピヨ」
「ホッホッホ、いやぁ〜仲のよろしい事で何よりじゃのぉ〜ではでは後は若い人達に任せて、わしは席をはず」
「テメーはここでじっとしてろ!ピヨ」
「はい」
 この期に及んでまだ逃げようとするのだから、朱雀に怒られてもしかたがない。ルイチはまっすぐに前を見て、しっかりとした正座でそこに座る。いつものだらしない猫背が嘘みたいな、定規でも入っているのかと思うくらいよく伸びた背筋である。きっと、少しでも反省していますよ私は、という感じを出したいのだろう。 
「確かにいい機会だ、少しずつ確認していこう。まずは基本となる、俺達四聖の当面の目的について確認しよう」
「そうピヨな、基本が大事ピヨ」
「そうだな、基本は大事だ。俺が聞いている目的は、エアライズ粒子を発見し開発研究をしていた鉄丸研究所とその周辺の街がこの粒子の暴走事故により壊滅した事件の調査、さらに、鉄丸研究所の意思を継ぎ、全てのエアライザーシリーズを集め、エアライザー関連技術による悪用や犯罪の予防・防止・撲滅を掲げる組織『クローゼット』の若きリーダー、時任 司(ときとう つかさ)の護衛、並びにクローゼットの同メンバーである速水・リン・レインフォードと空条 はやての活動援助。で、合ってるよな?」
「合ってないピヨ! 鉄丸研究所? エアライザーシリーズ? 組織・クローゼット? 時任 司? 速水・リン・レインフォードに空条 はやて!? 聞いた事も見たこともないピヨ! 何より本編より設定がしっかりしてるのがすごくやるせないピヨ!」
「何!? じゃあ全部ルイチの嘘だったのか!? そ、そうか……装着エアライザーはウォッチ型、ER05 グロリア・ソングスターを着けた時任 司。装着エアライザーはシューズ型、ER03 シャロン・ウォーカーを履く速水・リン・レインフォード。そして、装着エアライザーはパンツ型・ER02 デニム・ライダーを駆使する空条 はやて。全部嘘なのか……素直に信じていた自分が、そして何よりも、少しでもエアライザーという聞いた事もない謎の衣服をかっこいいと思ってしまった自分が、とても情けないよ」
「まぁ気を落とすなピヨ、こいつとつるんでいたらよくある事ピヨ。オレも何度、ルイチに騙されてきたことピヨか。ところで白虎の、少し気になったんだがこの様子だと、まだ他の仲間と合っていないピヨな? なにより初めにテメーは、仲間に合ったら聞こうと思ってたっていうことは……」
「仲間? あぁ、合っていないよ。ルイチが俺以外の四聖はみんな海外出張でいない、それよりもクローゼットのメンバーと早く合流しなければっなんて聞かされていたからな」
「ハァ……ピヨピヨピヨ」
 朱雀は心底あきれたという様に頭を抱え、喉を鳴らして深い溜息を吐き出した。
「何を考えてるピヨ……ルイチ、テメーは一ヶ月もあって何をしていたピヨ!」
「お、主に、近所の子と遊んでいました……」
 ルイチは頭をポリポリ掻きながら、生徒が先生に怒られているような、非常にオドオドとした感じでそう答える。
「遊ぶなピヨ!」
「はい」
「返事だけは良いピヨ。白虎の、他の仲間とは近いうちに合わせるピヨ、海外出張なんてしてピヨから。というか、この田護崎町にいるピヨ」
「そ、そうなのか? じゃあよろしく頼むよ、朱雀。まったく、なんなんだよルイチはよぉー」
「はい」
「はいじゃねぇよもう。で、話しを戻すけど、俺達、四聖の目的は何なんだ朱雀?」
「あぁ。オレ達、四聖の目的は、この田護崎町に施された魔王・天血の封印の維持、そしてその封印を解こうと目論む干支者をこの地から退けるというものピヨ」
「た、単純だった! なんだよ、それじゃあジイさんに昔から聞かされていた目的ので合ってるんじゃないか。基本的な目的の認識からしてすでに違うのか……先が、思いやられるな……」
「……ゲッゲゲララ」
「シャラップ!ピヨ」
「はい」



 つづく